サワラが獲れにくくなっている?
日生に春を呼ぶ魚、サワラ!
我らが岡山県民が愛する「鰆」(サワラ)!
そんなサワラ大好き岡山県ですが、県内の水揚げはピークの1986年に約535トン。
だけど近年、この漁獲量は少なくなっていることをご存知ですか?
日生町漁協でも1985年に約111・5トンありましたが、2001年に約4・2トンまで激減しています。
サワラを取り戻そう!
そこで、岡山県・兵庫県・香川県3県の協力のもと、5つの漁協で「サワラ資源回復計画」を進めています。
いま、日生漁協が取り組むこの「サワラ資源回復計画」についてご紹介したいと思います。
サワラの稚魚を育てる
毎年6月、屋島にある「水産総合研究センター」からサワラ稚魚16,000匹を受入れいます。
このときのサワラはまだ3㎝ほどの赤ちゃんです。
稚魚たちが日生に到着すると、用意した生け簀へと移されます。
この生け簀でエサをもらいながら、
稚魚は10㎝ほどに成長するまで大切に育てられます。
約10日間ほどで、3㎝から10㎝にまで大きくなります。まさに食べ盛り!
サワラの稚魚は実は共食いの習性があります。
共食いを防ぐためにどうするかというと、
絶えず餌を入れて満腹にしてあげるのです!
そして10㎝にもなると、かなりサワラの風格が出てきます。
この大きさになると海に放流し、稚魚たちはアマモ群落に守られながらさらに大きくなります。
また、日生では官民一体となって地元の産業を支えるために、
中学校の教育の一環として生徒たちが稚魚に餌をあげる取り組みを行っています。
生け簀から、瀬戸内海へ!
アマモの生える海で大きくなりながら、秋ごろには60センチほどまで成長するサワラたち。
そこから外海へと移動し、そして来年の春にまたふるさとの瀬戸内海に戻ってきます。
毎年、稚魚を放流するときは「大きくなって戻って来いよ!」と思いを込め、
春に再会したサワラたちへは「よく帰ってきたな!」と声をかけたくなります。
2002年に稚魚の放流を始めた結果、2005年には日生町漁協の水揚げが約20・9トンにまで回復、
近年は約6・5~約2・8トンを保っています。
水揚げ高の約1割はこの放流サワラで、徐々に効果は定着してきていると言えそうです。
この産学連携し、地域の持続可能性を高めるべく行う活動の1つが
この「サワラ資源回復計画」です。
ひなせ漁協はこれからもこの活動を全面的に行い、
後世にサワラを残し、引き継ぎ、その魅力を伝えていくことに貢献していきます。
岡山県民はサワラが大好き!
サワラは漢字だと「魚」に「春」とかいて「鰆(さわら)」とよみます。
その名の通り、サワラは瀬戸内の春を告げる出世魚。
春が旬だと思われがちですが、本当においしいのは秋から冬にかけてです。
全国的には「鰆の西京焼き」や焼き魚など、火を通した食べ方がメジャーですが、
岡山周辺では、鮮度の良いものを刺身やたたきで食べることが多いです。
ほどよく脂がのったサワラの刺身は、初めて食べるひとは驚くほど美味しいので、
岡山にお立ち寄りの際はぜひご賞味ください!
サワラの刺身
くせがなく、さっぱりとしたサワラ。ふにっとした食感がたまりません。
いくらでも食べられそうです。
©岡山県観光連盟
サワラのたたき
藁で焼くと最高に美味しい!
ポン酢や塩で頂くのが岡山流。
©岡山県観光連盟
焼野菜と鰆の焼きびたし
旬の野菜と旬のさかな。絶品すぎです。秋の夜長に日本酒と。
日生名物「こうこ寿司」
甘めのたくあん(こうこ)と酢でシメたサワラ。
そしてグリンピースが最高のアクセントとなっているお寿司。
故郷ひなせのソウルフードです。