令和6年6月7~8日にフード連合の研究会をお受けしました。カリキュラムは「アマモの回収作業」「小型底びき網の体験学習」「海洋建設さんの海洋での取り組み」「漁業の問題と課題解決の座学」等です。
参加された方々は30代が中心で、参加した感想を送って頂いたのでHPに掲載いたします。
Q: 印象に残ったプログラムと、そのプログラムからの「気づきや感想」を記入ください。
・アマモの作業体験では問題解決のための施策によって実際に発生している課題を直接感じ、変化する、チャレンジすることの大切さを再認識できた。
・アマモの再生保全は仮説と検証を繰り返し、30年かけて日生の海を蘇らせたこと、反対意見がありながらも情熱をもちリーダーシップをとって直向きに活動されたことが印象的です。
・アマモ場の取組を身内だけにとどめず、日生の取り組みを他組合・子供達・一般市民に積極的に広めていく活動に、日本の漁業を変えるという強い意思を感じ、心を揺さぶられました。
・今回、アマモの再生プログラムが特に印象に残っており、38年間という長期間において漁協が一体となって持続可能な漁業を行なう為に取り組んでいたことがとても印象的でした。
・全てのプログラムで大変有意義な時間となりました。
・海洋建設さんは、利益を追求しながらも、漁師・組合のみなさんとwinwinとなる取り組みを進めており、目先の利益にとらわれずに社会のために事業をされる姿に感銘を受けました。
・海洋建設さんの取り組みとアマモの再生プロジェクトについては持続可能性を考えた非常にいいシステムだと感じました。今の課題だけでなく未来を見すえた取り組みを今から行うことの重要性を実感出来ました。
・海洋建設様の貝殻リサイクルについて、副産物である貝殻にてこれほどまでの効果があることに驚きました。普段捨てているものも豊かな発想があれば、様々な付加価値を生み出すことを気づき、それを実行されている海洋建設様を含めた方々の行動力、発信に感銘を受けました。
・貝殻リサイクル漁礁による豊かな海づくり(海洋建設)貝殻=ゴミではなく、海にあったものを海に帰すという自然の法則に則った考え方がまさに持続可能な環境づくりに繋がっていくものだと感じました。 そして、シェルナースは通常の人口魚礁と比較しても生物が集まり、漁で獲れる魚の量や種類も増えるということで一石三鳥な取り組みだと感銘を受けました。
・底びき網体験は座学では得られない貴重な体験をさせていただき漁師の皆様には感謝いたします。自然の素晴らしさと厳しさを体感できました。
・底曳網体験が印象に残りました。座学にて漁獲量の減少や生態系が崩れてきているお話もあり、実際に獲れた魚を見るとクラゲが多く占めていました。座学で学んだことを実際に体験できたことは非常に印象に残りました。船酔いしてしまいご心配おかけしてすみません…
Q:プログラムの体験を通して、自分の日頃の行動・振る舞いを振返った感想を記入ください。
・安い輸入品を購入していたことや、生産者を意識していなかったこと、を後悔しております。これからは、意識します
・自身の仕事が社会へどのような影響を与えることができるか、それが目先の利益となっていないか、意識して行動していきたいと思いました。
・一消費者として一次産業に関わる消費について改めて意識し、背景を理解したアクションをしたいと感じました。
・廃棄するゴミをどう利用するか、地域の社会貢献活動が持続可能性を実現出来る取り組みであると強く感じたので、まずはゴミの分別からできる限りやっていきたいと思います。また、地域の活動にも参加できる機会があれば積極的に参加したいと思いました。
・海洋環境の変化による漁獲量の減少している現状があり、水産資源を維持する為に漁師のみなさんが努力していただいていることを知り、私達が普段当たり前に食べている魚が当たり前でなくなっていることを感じました。水産物を食べたいときに食べることができることに感謝しなければならないと思いました。
・日頃、スーパー等で買っている魚を見て、この魚がどのような経路、流通を経て口に入ってるのかを考えたことがあまりありませんでした。今回の研修にて様々な思い、特に水産業の未来について現場でこんな思いがあるのかを知り、大変勉強になりました。
・一次産業という普段の生活からは離れた世界を体験し、お話を聞かせていただいたことで、日常で当たり前に食べている食材のありがたみや価値を改めて認識することができました。また、ゴミだと思っているでも利用価値があることを実感できたので、今後の生活でごみの分別などのリサイクルにつながる当たり前の行動をきちんとルール従って実行していこうと思います。
・メーカーで働いているということもあり、副産物をどう扱うかということは大きなテーマとなるため、我々がビジネスを行っていく中でも、ヒントになる体験でした。私生活でも仕事の中でも今回学んだ考え方を活かしていきたいです。
・世の中で報道されている課題は多くありますが、そのほとんどが外側しか知れていないと感じました。漁獲量の減少についてはなんとなく理解はしていましたが、それに関する取り組みや裏側の苦悩などは、その渦中にいる方に聞くこと、そして体験することで本質を理解することができ、ひいては自身も課題解決に貢献できるのではないかと感じました。自ら興味を持ち、学びに行く姿勢は絶やしてはいけないと感じました。
Q:プログラムの体験を通して、考えた社会課題や、社会システムについて記入ください。
・一次産業の発展に向けて各地域でも色々と工夫して取り組まれていることは実感できたものの、やはりそこへの人の投資、世代交代の仕組みに課題を感じました。
・全産業におきても同様ではありますが、とくに一次産業は高齢化が進行していて後継者不足が深刻化していることがよくわかりました。
・地方の人口減少が理由であるのは間違いありませんが、その背景には、漁獲量が落ちていて収入が見込めないこと、自然による被害が大きいこと、重労働であること、初期投資が大きいことなどが上がってくると思います。このまま放っておくと一次産業は衰退し、食料自給率は減少する一方になりますが、一つの漁協などで考えて対策することは到底難しく、国が主導しての対策が必要と思いました。(例えば、一次産業を公務員にして給与制にするなど。)
・日生でも問題視されている、人材不足については大きな課題だと考えます。更に少子高齢化が進み、水産業に携われる方が少なくなると業務の質にも大きな問題が生まれると感じました。アマモの再生プログラムや未来への投資を行っている今だからこそ、様々な人に発信する媒体、発信能力が必要だと思います。
・現代で情報を得るということは、調べる意識、きっかけがないとその情報に辿り着くことが難しい。社会全体で日本の水産業、環境について問題視するシステムを構築するのが課題だと考えました。
・プログラムの体験を通して、日生でも若い漁業関係者とお会いすることはなく一次産業の後継者問題は大きな課題だと感じました。
・実際に底曳網漁も体験させてもらい、重労働であることや危険が伴うということを痛感し、若者から敬遠されてしまうのもしょうがないと感じる部分も正直ありました。これは漁業だけではなく、農業も同じだと思います。しかし、このままでは食糧自給率も下がり続ける上に、日本の食文化も廃れていくことにも繋がりかねません。
一次産業の重要さや魅力を伝えていく教育の充実化や漁業・農業のスマート化、人材のマッチングなど取り組んでいくべきこともあると思いますし、それを実現するためにも国や企業の参入がさらに求められると感じました。
・人材不足、漁獲量の減少、生態系の変化など水産にまつわる課題が多くあることを学びました。特に今まで獲れていたものが獲れなくなり、逆に獲れなかったものが獲れるようになった結果、その地域でどのように売り出せばいいのか分からず苦労しているといった話がありました。水産関係者が地域だけでなく全国的な横の繋がりや情報共有できればと感じました。